
Excel2016以降、デフォルトフォントとして採用された「游ゴシック」。しかし、多くのユーザーから「見づらい」「読みにくい」という声が上がっています。この記事では、Excelでのフォント選びにおいて、なぜ游ゴシックが問題視されるのか、そしてどのフォントを選ぶべきかを詳しく解説します。
游ゴシックがExcelで見づらい理由
Excel2016以降、Microsoftは游ゴシックを標準フォントとして採用しました。しかし、実際に使用してみると、以下のような問題が発生します。
画面表示での視認性の問題
游ゴシックは印刷時には美しく見えるよう設計されていますが、パソコンの画面上では以下の問題があります:
- 小さな文字が薄く見える
- 文字がぼやけて見える
- 文字間が空きすぎて読みにくい
- プロジェクター投影時に特に見づらい
デバイス依存の表示問題
游ゴシックは、使用するパソコンやディスプレイの環境によって表示品質が大きく異なります。特に以下の環境では問題が顕著に現れます:
| 環境 | 問題点 | 影響度 |
|---|---|---|
| 低解像度ディスプレイ | 文字がぼやける | 高 |
| プロジェクター | 文字が薄く見える | 高 |
| 古いPC | 文字間が不自然 | 中 |
| Mac環境 | フォントが崩れる可能性 | 中 |
Excelでおすすめのフォント5選
游ゴシックに代わる、Excelでのフォント選びにおすすめの選択肢を紹介します。
1. メイリオ(最推奨)
メイリオは、Excelでの使用において最も推奨されるフォントです。「明瞭」が語源となっており、その名の通り非常に読みやすいフォントです。
メイリオの特徴:
- ClearType技術により画面表示が滑らか
- 小さな文字でも視認性が高い
- 日本語と英数字のバランスが良い
- プロジェクター投影時も見やすい
2. MS Pゴシック(安定性重視)
Excel2013以前の標準フォントだったMS Pゴシックは、シンプルで読みやすく、どの環境でも安定して表示されます。
MS Pゴシックの特徴:
- どの環境でも安定した表示
- 文字間隔が適切
- 数値データの視認性が高い
- ファイル容量が軽い
3. BIZ UDゴシック(ユニバーサルデザイン)
BIZ UDゴシックは、Windows10以降に標準搭載されているユニバーサルデザインフォントです。
BIZ UDゴシックの特徴:
- 誰にでも読みやすいデザイン
- 文字の識別性が高い
- ビジネス文書に適している
- アクセシビリティに配慮
4. ヒラギノ角ゴシック(Mac環境)
Mac環境では、ヒラギノ角ゴシックが最適な選択です。
5. 源ノ角ゴシック(オープンソース)
Adobe とGoogleが共同開発した源ノ角ゴシックは、無料で使用できる高品質フォントです。
Excelのデフォルトフォントを変更する方法
游ゴシックから別のフォントに変更する手順を、画面説明とともに詳しく解説します。
Windows版Excelでの変更手順
- Excelを起動し、「ファイル」タブをクリック
- 左側メニューから「オプション」を選択
- 「基本設定」を選択
- 「新しいブックの作成時」セクションを確認
- 「次を既定フォントとして使用」のドロップダウンから希望のフォントを選択
- 「OK」をクリック
- Excelを再起動して設定を有効化
Mac版Excelでの変更手順
- Excelメニューから「環境設定」を選択
- 「フォント」タブをクリック
- 「既定のフォント」から希望のフォントを選択
- 「適用」をクリック
フォント選択の基準とポイント
Excelでのフォント選びにおいて、以下の基準を参考にしてください。
用途別フォント選択指針
| 用途 | 推奨フォント | 理由 |
|---|---|---|
| 数値データ中心 | MS Pゴシック | 数字の識別性が高い |
| プレゼン資料 | メイリオ | 投影時の視認性が良い |
| 印刷物 | BIZ UDゴシック | 印刷時の仕上がりが美しい |
| 共有ファイル | MS Pゴシック | どの環境でも安定表示 |
避けるべきフォントの特徴
- 画面表示で薄く見えるフォント
- 文字間隔が不自然なフォント
- 環境依存性が高いフォント
- 装飾的すぎるフォント
よくある質問と回答
Q: 游ゴシックを使い続けるメリットはありますか?
A: 游ゴシックは印刷時の美しさが特徴ですが、Excel作業では画面表示が主体となるため、メリットは限定的です。プレゼンテーション用の印刷物を作成する場合のみ、游ゴシックの使用を検討してください。
Q: フォントを変更するとファイル容量は変わりますか?
A: フォント自体はファイルに埋め込まれないため、ファイル容量への影響はほとんどありません。ただし、複雑なフォントを使用すると、わずかに処理速度が遅くなる可能性があります。
Q: 他の人と共有する際に注意すべき点はありますか?
A: 相手の環境にインストールされていないフォントを使用すると、代替フォントで表示される可能性があります。共有ファイルではMS Pゴシックなど、標準的なフォントを使用することを推奨します。
フォント設定の効果的な活用法
セル単位でのフォント使い分け
Excelでは、セル単位で異なるフォントを使用することも可能です。以下のような使い分けが効果的です:
- 見出し: 太字のメイリオ
- データ部: MS Pゴシック
- 注記: 小さめのBIZ UDゴシック
条件付き書式とフォントの組み合わせ
条件付き書式と組み合わせることで、より効果的な資料作成が可能です:
- 重要な数値は太字のメイリオで強調
- 警告値は赤色のMS Pゴシックで表示
- 正常値は標準のBIZ UDゴシックで表示
まとめ:最適なフォント選択で作業効率を向上
Excelでのフォント選びは、単なる見た目の問題ではなく、作業効率や資料の品質に直結する重要な要素です。游ゴシックの問題点を理解し、用途に応じた適切なフォントを選択することで、以下のメリットが得られます:
- データの視認性向上
- 作業効率の向上
- 資料の完成度アップ
- 共有時のトラブル回避
特に、メイリオは画面表示での視認性が優秀で、多くの環境で安定して表示されるため、最も推奨できるフォントです。MS Pゴシックは安定性重視の選択肢として、BIZ UDゴシックはアクセシビリティを重視する場合の選択肢として活用してください。
フォント設定の変更は一度行えば、以後すべての新規ファイルに適用されるため、早期に設定変更を行うことをお勧めします。あなたのExcel作業をより快適で効率的にするために、今すぐフォント設定を見直してみてください。











コメント