【Excel】数式の固定（絶対参照）を一括で適用する方法｜作業効率を爆上げ！

Excelで「数式の参照セルを固定」する理由とは？

Excelで数式をコピーして貼り付けると、通常は貼り付け先の位置に応じて参照セルが自動的に変化します（相対参照）。これは便利な仕組みですが、常に特定のセルを参照し続けたい場合は、「絶対参照」を使って参照セルを固定する必要があります。

相対参照と絶対参照の違い

• 相対参照： コピー先の位置に応じて参照が変わる（例：=A1）
• 絶対参照： セルの列・行の両方を固定し、常に同じセルを参照（例：=$A$1）

数式を一括で絶対参照に変換するには？

通常は「F4キー」を使って1つずつ参照形式を切り替えますが、一括変換する方法もあります。ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。

方法①：F4キーで手動切り替え

Excelでは数式入力中にF4キーを押すことで、以下の順に参照形式を切り替えることができます。

1. =A1（相対参照）
2. =$A$1（列と行を固定）
3. =A$1（行だけ固定）
4. =$A1（列だけ固定）
5. =A1（元に戻る）

ただし、大量のセルに対して行う場合は手作業だと大変です。

方法②：検索と置換で列または行を固定

Excelの検索と置換（Ctrl + H）を使えば、数式の一括変換が可能です。

列を固定（=$A1）の場合

1. セル範囲を選択
2. Ctrl + Hを押す
3. 検索する文字列：=A
4. 置換後の文字列：=$A
5. 「すべて置換」をクリック

行を固定（=A）の場合

1. セル範囲を選択
2. Ctrl + Hを押す
3. 検索する文字列：1
4. 置換後の文字列：$1
5. 「すべて置換」をクリック

列・行を完全固定（=$A）の場合

1. セル範囲を選択
2. Ctrl + Hを押す
3. 検索する文字列：=A1
4. 置換後の文字列：=$A$1
5. 「すべて置換」をクリック

セル参照の3パターンまとめ

方法③：Power Queryを使って参照を固定

大量のデータを扱う場合は、「Power Query」を使うことで、固定値による計算が可能になります。

Power Queryで参照セルを固定する方法【実践ガイド】

Power Queryでは「絶対参照」という概念はありませんが、定数列（固定値）を追加して同様の効果を実現できます。

💡目的

固定値を「列」として追加し、常に一定の値を参照できるようにします。

📌手順

1. データ範囲を選択 →「データ」タブ →「テーブルまたは範囲から」
2. Power Queryエディターが開く
3. 固定値列を追加（例：1.1など）
4. タブで「列の追加」→「カスタム列」→ =[売上] * [係数] を入力　（※ダブルクリックすると選択できます）
5. 「ファイル」→「閉じて読み込む」でExcelに出力

📊サンプルデータ

Power Queryのメリット

• 関数の絶対参照を代用できる
• 数式がシンプルかつ見やすくなる
• 大量データも効率よく処理できる

方法④：VBAマクロで一括絶対参照化

VBAを使えば、選択範囲内の数式を一括で絶対参照に変換できます。

Sub 絶対参照一括変換()
    Dim rng As Range
    Dim cell As Range
    Set rng = Selection
    For Each cell In rng
        If cell.HasFormula Then
            cell.Formula = Application.ConvertFormula(cell.Formula, xlA1, xlA1, xlAbsolute)
        End If
    Next
End Sub

挙動の比較：相対参照 vs 絶対参照

よくある質問（Q&A形式）