
【重要】旧字体・外字が原因でエラーになるケース
「𠮷田」や「髙島」や「齋藤」といった旧字体がファイル名に含まれていると、Boxへのアップロードがエラーになります。これは非常によくあるトラブルで、多くのユーザーが気づかずに悩んでいます。
なぜ旧字体でエラーになるのか?
BoxがサポートしているのはUnicodeのBMP(基本多言語面、第0面)の文字のみです。旧字体や一部の外字は、このBMP範囲外に位置する文字コードを使用しているため、Boxのシステムが正しく認識できず、アップロードエラーが発生します。
実例:
- 「𠮷田さんの資料.xlsx」→ エラー(𠮷は旧字体)→吉
- 「髙島プロジェクト.pdf」→ エラー(髙は旧字体)→高
- 「㈱ABC企業.docx」→ エラー(㈱は環境依存文字)
旧字体エラーの解決方法
- ファイル名を新字体に変更する
- 「𠮷田」→「吉田」に変更
- 「髙島」→「高島」に変更
- 「㈱」→「(株)」に変更
- 英数字に置き換える
- 「𠮷田さんの資料.xlsx」→「yoshida_shiryo.xlsx」
- 人名が特定できれば、ローマ字表記も有効
- 問題の文字を削除する
- 「髙島プロジェクト.pdf」→「プロジェクト資料.pdf」
- 代替の表現を使う
Boxアップロードエラーの主な原因一覧
1. ファイル名の問題(最も多い原因)
禁止文字が含まれている
以下の文字は絶対に使用できません:
| 記号 | 名称 | 使用例(NG) |
|---|---|---|
< | 小なり | ファイル<最新版>.xlsx |
> | 大なり | レポート>2024.docx |
: | コロン | 会議:議事録.pdf |
" | ダブルクォーテーション | “重要”資料.xlsx |
/ | スラッシュ | 2024/10報告.pdf |
\ | バックスラッシュ | データ\保存用.xlsx |
| | パイプ | レポート|最終.docx |
? | 疑問符 | これは?.txt |
* | アスタリスク | 重要*.pdf |
また、角括弧 [ ] は一見問題なさそうですが、特にExcelファイルで地味でありながらしつこい問題を起こす記号です(クラウドストレージで、ファイル名が変更されたというエラーが頻発したり、誰も触っていないのに誰かが編集中、というエラーが出ることがあります)
先頭・末尾のスペース
ファイル名やフォルダ名の前後にスペースがあると、エラーになります。これは見た目では気づきにくいので要注意です。
NG例:
- 「 報告書.pdf」(先頭にスペース)
- 「データ集 .xlsx」(末尾にスペース)
非表示のASCII文字・制御文字
コピー&ペーストでファイル名を設定した際に、目に見えない制御文字が混入することがあります。これもエラーの原因になります。
確認方法:
- ファイル名を全選択してコピー
- Google ChromeまたはFirefoxのアドレスバーに貼り付け
- %記号付きの文字コードが表示されたら制御文字が含まれている証拠
ファイル名の長さ
Boxではファイル名は255文字以内に制限されています。長すぎるファイル名はエラーの原因になります。
2. ファイルサイズの問題
アカウントタイプによって、アップロードできる最大ファイルサイズが異なります。
最大ファイルサイズの確認方法
- Boxにログイン
- 右上のイニシャルをクリック
- 「アカウント設定」を選択
- 「アカウント」タブで「最大ファイルサイズ」を確認
一般的な上限:
- 無料アカウント:250MB
- 有料アカウント:5GB~50GB(プランによる)
3. ブラウザ・環境の問題
推奨ブラウザ
Boxは以下の最新バージョンのブラウザを推奨しています:
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Microsoft Edge
- Safari
古いバージョンのブラウザではアップロードに問題が発生する可能性があります。
ブラウザキャッシュのクリア方法
- Chrome:設定→プライバシーとセキュリティ→閲覧履歴データの削除
- Edge:設定→プライバシー、検索、サービス→閲覧データのクリア
- Firefox:オプション→プライバシーとセキュリティ→Cookieとサイトデータをクリア
- Safari:環境設定→プライバシー→Webサイトデータを管理
4. ネットワーク接続の問題
チェックポイント
- インターネット接続が安定しているか
- Wi-Fi接続の場合、有線LANに切り替えて試す
- VPN接続を使用している場合、一時的に無効にして試す
- 会社のファイアウォールがBoxをブロックしていないか
5. Box Driveでのアップロードエラー
Box Driveを使用している場合、特有のエラーが発生することがあります。
Box Driveのキャッシュエラー解決方法
- タスクトレイのBoxアイコンを右クリック
- 「ログアウト」を選択
- 確認ダイアログで「Boxにアップロードされていないファイルを保持する」のチェックを外す
- 「ログアウト」をクリック
- 再度ログイン
この操作により、キャッシュに残っていた問題のあるファイル情報がクリアされます。
エラー別の具体的な解決手順
エラーメッセージ:「ファイル名が無効です」
原因:ファイル名に禁止文字、旧字体、制御文字が含まれている
解決手順:
- ファイル名に禁止文字(< > : ” / \ | ? *)が含まれていないか確認
- 旧字体(𠮷、髙など)や環境依存文字(㈱、①など)を新字体・代替文字に変更
- ファイル名の前後にスペースがないか確認
- ファイル名を半角英数字のみに変更して試す
- ファイル名を255文字以内に短縮
エラーメッセージ:「アップロードに失敗しました」
原因:ネットワーク接続、ファイルサイズ、ブラウザの問題
解決手順:
- ファイルサイズが上限を超えていないか確認
- ブラウザのキャッシュをクリア
- 別のブラウザで試す
- インターネット接続を確認(有線LANに切り替える)
- ファイアウォールを一時的に無効化して試す
- VPNを無効化して試す
エラーメッセージ:「アカウントのストレージサイズの上限に達しました」
原因:Box容量の不足
解決手順:
- 不要なファイルを削除
- ごみ箱を空にする(ごみ箱の容量もカウントされる)
- 管理者に容量の追加を依頼(企業アカウントの場合)
- プランのアップグレードを検討
Macユーザー特有の問題と解決策
Macでは、Windows環境とは異なる固有の問題が発生することがあります。
AppleDouble形式のファイル
Macでは「._ファイル名」という隠しファイルが自動生成されることがあります。これもアップロードエラーの原因になります。
.DS_Storeファイル
Macが自動生成する「.DS_Store」ファイルもエラーの原因になることがあります。
解決方法
- Finderで隠しファイルを表示(Command + Shift + .)
- 「._」で始まるファイルや「.DS_Store」を削除
- または、Box Driveを使用してアップロード(この場合は自動的に除外される)
すぐに試せる!エラー解決チェックリスト
✓ 基本チェック
ファイル名に旧字体(𠮷、髙など)が含まれていないか
ファイル名に禁止文字(< > : ” / \ | ? *)が含まれていないか
ファイル名の前後にスペースがないか
ファイル名が255文字以内か
ファイルサイズが上限以内か
✓ 環境チェック
ブラウザは最新版か
ブラウザのキャッシュをクリアしたか
インターネット接続は安定しているか
ファイアウォールがBoxをブロックしていないか
✓ Mac特有のチェック
「._」で始まる隠しファイルを削除したか
「.DS_Store」ファイルを削除したか
それでも解決しない場合の対処法
1. 別の方法でアップロードを試す
- ブラウザでのアップロード → Box Driveでのアップロード
- ドラッグ&ドロップ → 「新規」ボタンからのアップロード
- ファイル単位 → フォルダ単位(またはその逆)
2. メール経由でアップロード
Boxフォルダには専用のメールアドレスが割り当てられています。そのアドレスにファイルを添付して送信することでアップロードできます。
3. Box管理者またはサポートに問い合わせ
企業アカウントの場合、社内のBox管理者に相談しましょう。権限設定やネットワーク制限が原因の可能性があります。
予防策:エラーを起こさないファイル名のルール
推奨ファイル名の付け方
- 半角英数字とアンダースコア・ハイフンのみ使用
- 良い例:project_report_20241017.pdf
- 良い例:meeting-notes-2024.docx
- 日本語を使う場合は新字体のみ
- 良い例:会議資料.pdf(「會」「議」などの旧字体は使わない)
- 記号を使わない
- スペースも「_」(アンダースコア)に置き換える
- 短く簡潔に
- 50文字以内を目安に
- 日付は統一形式で
- YYYYMMDD形式:20241017
- YYYY-MM-DD形式:2024-10-17
よくある質問(FAQ)
Q1. 旧字体が含まれるファイルをどうしてもアップロードしたい
A. ファイル名を変更する以外に方法はありません。Boxは技術的な制約により、UnicodeのBMP範囲外の文字をサポートしていません。ファイル名を新字体または半角英数字に変更してください。ファイルの中身(内容)に旧字体が含まれている分には問題ありません。
Q2. 大量のファイルを一括でアップロードするとエラーになる
A. 一度に大量のファイルをアップロードすると、ブラウザやネットワークに負荷がかかりエラーが発生しやすくなります。50~100ファイルずつに分けてアップロードすることをお勧めします。
Q3. エラーメッセージが表示されずアップロードが進まない
A. ブラウザのキャッシュをクリアし、別のブラウザで試してください。それでも解決しない場合、ネットワーク接続の問題やファイアウォールの設定を確認してください。
Q4. Box Driveで「アップロードエラー」が繰り返し表示される
A. Box Driveのキャッシュが原因です。「Boxにアップロードされていないファイルを保持する」のチェックを外してログアウトし、再ログインしてください。
Q5. 圧縮(ZIP)ファイルをアップロードするとエラーになる
A. ZIP内のファイル名に旧字体や禁止文字が含まれている可能性があります。ZIP内のファイル名も確認し、問題のあるファイルをリネームしてから再度圧縮してください。
まとめ
Boxアップロードエラーの多くは、ファイル名に含まれる旧字体や禁止文字が原因です。特に「𠮷田」や「髙島」といった人名の旧字体は見落としがちですが、これらはBoxが対応していないUnicode範囲の文字であるため、必ず新字体に変更する必要があります。
エラーが発生したら、まずファイル名を確認し、禁止文字や旧字体、前後のスペースがないかチェックしましょう。それでも解決しない場合は、ブラウザのキャッシュクリア、別のブラウザでの試行、ネットワーク環境の確認を行ってください。
日頃から半角英数字と新字体のみを使用したファイル名を心がけることで、アップロードエラーを未然に防ぐことができます。
💡 最重要ポイント
- 旧字体(𠮷、髙など)はBox非対応 → 新字体(吉、高)に変更必須
- 禁止文字(< > : ” / \ | ? *)は絶対NG → 削除または置換
- ファイル名の前後のスペース → 削除
- ファイル名は255文字以内 → 短縮
- エラーが続く場合 → ブラウザキャッシュクリア、別ブラウザで試行
この記事の内容を実践すれば、ほとんどのBoxアップロードエラーは解決できます。それでも問題が解決しない場合は、Box管理者またはBoxサポートに問い合わせることをお勧めします。












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