【Excel × Box】「このファイルは名前が変更されました」エラーの原因と完全解決ガイド

このファイルは名前が変更されました
Excelで作業中に突然「このファイルは名前が変更されました。ファイルを保存して、新しい名前を取得することをお勧めします。」というメッセージが表示されて作業が中断されてしまった経験はありませんか?特にOneDrive、SharePoint、そしてBox(Box for Office)を使用している環境では頻繁に発生する、非常に厄介な問題です。

このエラーは、Excelが開いているファイルとクラウド上のファイル名・同期状態が一致しないときに表示される警告です。

本記事では、このエラーが発生する根本原因から、即効性のある解決方法、さらには再発を防ぐための予防策まで、実践的な対処法を徹底解説します。特にBox for Officeをインストールしている環境で発生するケースについても詳しく解説していますので、初心者の方でも確実に問題を解決できます。

  1. エラーが発生する6つの主な原因
    1. 1. Box for Officeの自動同期による競合【重要】
    2. 2. OneDriveの自動同期によるファイル名競合
    3. 3. SharePointの権限設定による制限
    4. 4. Excel自動保存機能とクラウドストレージの同期競合
    5. 5. ファイル名の規則違反
    6. 6. 同期フォルダでの直接編集による問題
  2. 今すぐ試せる!6つの確実な解決方法
    1. 方法1:ファイルを別名でローカルに再保存する【即効性:★★★】
    2. 方法2:Box for Officeの統合機能を一時的に無効化する【Box環境で特に有効】
    3. 方法3:クラウド同期を一時停止して競合を防ぐ【Box/OneDrive対応】
    4. 方法4:Excelの自動保存機能を調整する
    5. 方法5:ファイルの属性を確認・変更する
    6. 方法6:ファイル名を規則に準拠させる
  3. Box環境での特別な対処法と設定
    1. Box for Officeの設定最適化
    2. Box Driveの同期設定の調整
    3. Boxでのファイル編集のベストプラクティス
  4. SharePoint環境での特別な対処法
    1. チェックアウト機能の活用
    2. バージョン管理設定の最適化
  5. 再発防止!予防策と推奨設定
    1. Box環境での最適な設定と運用
    2. OneDriveの最適な設定
    3. Excelでの推奨設定
    4. ファイル管理のベストプラクティス
  6. よくある質問(FAQ)
    1. Q1:Box for Officeをインストールしてからこのエラーが頻繁に出るようになりました。どうすればよいですか?
    2. Q2:このエラーが表示された場合、データは失われてしまいますか?
    3. Q3:WordやPowerPointでも同じエラーが発生するのですが、対処法は同じですか?
    4. Q4:会社でBoxを使っており、このエラーが頻繁に発生します。どうすればよいですか?
    5. Q5:一度解決しても、しばらくするとまた同じエラーが発生します。根本的に直す方法はありますか?
    6. Q6:複数人で同じファイルを同時に編集したい場合、どうすればエラーを避けられますか?
    7. Q7:Box DriveとBox for Officeの違いは何ですか?どちらを使うべきですか?
  7. まとめ:根本解決は「Box for Officeの見直し」と「ローカル保存の徹底」

エラーが発生する6つの主な原因

1. Box for Officeの自動同期による競合【重要】

Box for Officeをインストールすると、Officeアプリケーションが直接Boxと接続され、自動同期機能が有効になります。これにより、ファイルの保存タイミングとBox側の同期処理が競合し、ファイル名の変更エラーが頻繁に発生するようになります。特にBoxに保存されているExcelファイルを直接開いて編集している場合、保存時にBox側が自動的にファイルのバージョン管理や同期を行おうとするため、Excelとの間でファイル名の不整合が生じやすくなります。

Box for Officeは便利な機能ですが、この自動同期機能がExcelの保存処理と干渉することで、「ファイルは名前が変更されました」というエラーの主要な原因の一つとなっています。

2. OneDriveの自動同期によるファイル名競合

OneDriveの自動同期機能も同様の問題を引き起こします。複数のデバイスで同じExcelファイルを編集している場合や、同期のタイミングが重なると、OneDriveがファイル名を自動的に変更してしまうことがあります。特にファイルを保存している最中に同期が開始されると、このエラーが発生しやすくなります。

3. SharePointの権限設定による制限

SharePoint上でファイルを共有している環境では、アクセス権限の設定が原因でエラーが発生することがあります。編集権限が正しく設定されていない場合や、他のユーザーがファイルを編集中の場合、読み取り専用モードで開かれてしまい、保存時にこのメッセージが表示されます。企業環境では特に注意が必要な原因です。

4. Excel自動保存機能とクラウドストレージの同期競合

Microsoft 365のExcelに搭載されている自動保存機能が、Box、OneDrive、SharePointなどのクラウドストレージの同期処理と同時に実行されることで、ファイル管理に競合が生じる場合があります。両方の機能が同時にファイルを更新しようとすることで、ファイル名の不整合が発生し、エラーメッセージが表示される原因となります。

5. ファイル名の規則違反

Box、OneDrive、SharePointでは、ファイル名に使用できない特殊文字が定められています。バックスラッシュ(\)、スラッシュ(/)、コロン(:)、アスタリスク(*)、疑問符(?)、引用符(”)、不等号(<、>)、パイプ(|)などの文字がファイル名に含まれていると、システムが自動的に名前を変更しようとするため、このエラーが発生します。

6. 同期フォルダでの直接編集による問題

Box Drive、OneDriveの同期フォルダ内でファイルを直接開いて編集している場合、ファイルの保存と同期のタイミングが重なることで、ファイル名の管理に不整合が生じることがあります。特にインターネット接続が不安定な環境では、この問題が発生しやすくなります。

 

今すぐ試せる!6つの確実な解決方法

方法1:ファイルを別名でローカルに再保存する【即効性:★★★】

最も確実で、すぐに効果が得られる解決方法です。Box、OneDrive、SharePointのいずれの環境でも有効です。

  1. Excelの画面左上の「ファイル」タブをクリックします
  2. 左側のメニューから「名前を付けて保存」を選択します
  3. 保存場所をクラウドストレージではなく、ローカルドライブ(デスクトップやドキュメントフォルダなど)に変更します
  4. 必要に応じて新しいファイル名を入力し、「保存」ボタンをクリックします
  5. 保存が完了したら、必要に応じて後からBox/OneDrive/SharePointに手動でアップロードします

ポイント:この方法は緊急時の対処として最も有効です。データの損失リスクを最小限に抑えながら、確実に作業を継続できます。

方法2:Box for Officeの統合機能を一時的に無効化する【Box環境で特に有効】

Box for Officeが原因の場合、この統合機能を一時的に無効にすることで問題を解決できます。

  1. Excelを完全に閉じます
  2. Windowsの「スタート」メニューから「設定」を開きます
  3. 「アプリ」→「アプリと機能」を選択します
  4. 「Box for Office」を見つけて、「詳細オプション」をクリックします
  5. 「無効にする」または「アンインストール」を選択します(一時的な対処の場合は無効化で十分です)
  6. Excel→ファイル→左下の「アカウント」→Box 削除
  7. Excelを再起動し、ファイルをローカルで開いて保存します

代替方法:Box for Officeを無効化せずに使用を続けたい場合は、Excelの「ファイル」→「オプション」→「セキュリティ センター」→「セキュリティ センターの設定」→「信頼できる場所」で、Box同期フォルダを信頼できる場所から削除することも有効です。

方法3:クラウド同期を一時停止して競合を防ぐ【Box/OneDrive対応】

同期による競合を根本から回避する方法です。Box Drive、OneDriveのどちらでも使用できます。

Box Driveの場合:

  1. タスクバー(画面右下)のBox Driveアイコンを右クリックします
  2. 「設定」を選択します
  3. 「同期を一時停止」をクリックします
  4. Excelファイルを通常通り保存します
  5. 作業完了後、再度「同期を再開」をクリックします

OneDriveの場合:

  1. タスクバーのOneDriveの雲アイコンを右クリックします
  2. メニューから「同期の一時停止」を選択します
  3. 一時停止する時間を選択します(2時間、8時間、24時間から選択可能)
  4. Excelファイルを保存します
  5. 「同期の再開」で同期を再開します

注意:同期を停止している間は、他のデバイスとの同期も行われませんので、作業完了後は必ず同期を再開してください。

方法4:Excelの自動保存機能を調整する

自動保存機能とクラウドストレージ同期の競合を防ぐための設定変更です。

  1. Excelで「ファイル」タブをクリックし、左下の「オプション」を選択します
  2. 左側のメニューから「保存」を選択します
  3. 「OneDrive および SharePoint Online の Microsoft 365 ファイルの自動保存をオンにする」のチェックボックスを確認します
  4. Box、OneDrive、SharePointで問題が頻繁に発生する場合は、このオプションを無効にすることを検討します
  5. または「自動回復用データの保存間隔」を10分以上に延長します
  6. 「OK」をクリックして設定を保存します

補足:自動保存を完全に無効にする場合は、こまめな手動保存を心がけてください。Ctrl+Sのショートカットキーを活用すると便利です。

方法5:ファイルの属性を確認・変更する

ファイルが読み取り専用になっている場合の対処方法です。

  1. エクスプローラーで問題のExcelファイルを見つけます
  2. ファイルを右クリックし、メニューから「プロパティ」を選択します
  3. 「全般」タブの下部にある「読み取り専用」のチェックボックスを確認します
  4. チェックが入っている場合は外します
  5. 「適用」をクリックしてから「OK」をクリックします

方法6:ファイル名を規則に準拠させる

ファイル名に問題がある場合の具体的な対処法です。Box、OneDrive、SharePointで共通して使用できます。

  1. ファイル名から使用できない特殊文字(\ / : * ? ” < > |)をすべて削除します
  2. ファイル名の文字数を確認し、255文字以内に収めます
  3. ファイル名の先頭や末尾にスペースがある場合は削除します
  4. ファイル名がピリオド(.)で終わっている場合は変更します
  5. 「#」や「%」などの記号も、できるだけ使用を避けることをお勧めします

推奨命名規則:ファイル名には英数字、ハイフン(-)、アンダースコア(_)のみを使用し、日本語を使用する場合も特殊文字は避けることで、トラブルを予防できます。

Box環境での特別な対処法と設定

Box for Officeの設定最適化

Box for Officeを使い続けながらエラーを防ぐための具体的な設定方法です。

  1. Box for Officeの設定画面を開きます(Officeアプリケーション内の「Box」タブから)
  2. 「自動保存」設定を確認し、必要に応じて無効化します
  3. 「ファイルを開く際の既定の動作」を「ローカルコピーとして開く」に変更します
  4. 「保存時の確認」オプションを有効にして、保存前に確認ダイアログを表示させます

重要:Box for Officeは便利な機能ですが、Excelの標準保存機能と競合しやすい特性があります。頻繁にエラーが発生する場合は、ファイルをBox Driveを経由せずにWebブラウザからダウンロードし、ローカルで編集後に再アップロードする運用も検討してください。

Box Driveの同期設定の調整

Box Driveを使用している場合の推奨設定です。

  1. タスクバーのBox Driveアイコンを右クリックし、「設定」を開きます
  2. 「同期」タブで「選択的同期」を設定し、頻繁に編集するフォルダのみを同期対象とします
  3. 「詳細設定」で「オフラインファイル」のオプションを確認します
  4. 「帯域幅の制限」を設定して、同期の負荷を調整します

Boxでのファイル編集のベストプラクティス

Boxを使用する際に、エラーを防ぐための推奨作業手順です。

  • WebブラウザからのOffice Online利用:BoxのWebインターフェースからOffice Onlineを使用してファイルを編集することで、Box for Officeの競合問題を回避できます
  • ローカル編集後のアップロード:重要なファイルはBoxからダウンロードし、ローカルで編集完了後に再アップロードする方法が最も安全です
  • バージョン管理の活用:Boxの標準機能であるバージョン履歴を活用し、問題が発生した場合に以前のバージョンに戻せるようにします

SharePoint環境での特別な対処法

チェックアウト機能の活用

SharePointでファイルを共有している場合は、チェックアウト機能を使用することで、編集中の競合を確実に防ぐことができます。

  1. SharePointのドキュメントライブラリで編集したいファイルを見つけます
  2. ファイル名の横にある「…」(その他のオプション)をクリックします
  3. メニューから「チェックアウト」を選択します
  4. Excelでファイルを開いて編集作業を行います
  5. 編集が完了したら、ファイルを保存して閉じます
  6. SharePointに戻り、再度「…」から「チェックイン」を選択します
  7. 必要に応じてコメントを入力して「OK」をクリックします

メリット:チェックアウト中は他のユーザーがファイルを編集できないため、ファイル名の競合が発生しません。

バージョン管理設定の最適化

SharePointのバージョン管理設定を調整することで、エラーの発生を抑制できます。

  1. SharePointのドキュメントライブラリを開きます
  2. 画面右上の歯車アイコン(設定)をクリックし、「ライブラリの設定」を選択します
  3. 「全般設定」セクションの「バージョン設定」をクリックします
  4. 「コンテンツの承認を要求する」が「はい」になっている場合は「いいえ」に変更します
  5. 「ドキュメントのバージョン履歴」で適切なバージョン管理方法を選択します
  6. ページ下部の「OK」をクリックして設定を保存します

注意:企業環境では管理者権限が必要な場合がありますので、変更前にIT部門に確認することをお勧めします。

再発防止!予防策と推奨設定

Box環境での最適な設定と運用

Boxを使用している場合の推奨設定と運用方法です。

  • Box for Officeの使用を控える:頻繁にエラーが発生する場合は、Box for Officeの使用を中止し、Box DriveまたはWebインターフェース経由でのファイル管理に切り替えることを検討します
  • Box Driveの選択的同期:すべてのフォルダを同期せず、必要なフォルダのみを同期対象とすることで、同期の競合リスクを減らします
  • ローカル作業の優先:重要なファイルや大規模な編集作業は、一度ローカルにダウンロードして作業し、完了後にBoxへアップロードする運用を基本とします
  • 定期的なBox Driveの再起動:Box Driveを長時間使用していると同期に問題が生じることがあるため、定期的に再起動します

OneDriveの最適な設定

OneDriveを使用している場合の推奨設定です。

  • ファイルオンデマンド機能の活用:OneDriveの設定で「ファイルオンデマンド」を有効にすることで、必要なファイルのみローカルに保存され、同期の負荷が軽減されます
  • 選択的同期の設定:頻繁に使用するフォルダのみを同期対象とし、大容量ファイルや使用頻度の低いフォルダは同期から除外します
  • Office アップロード設定の確認:OneDriveの設定で「Office を使用して同期している Office ファイルを開く」オプションを確認し、適切に設定します

Excelでの推奨設定

Excelの設定を以下のように調整することで、Box、OneDrive、SharePointのいずれの環境でも安定した作業環境を構築できます。

  • 自動保存間隔の延長:「ファイル」→「オプション」→「保存」で、自動回復情報の保存間隔を10分以上に設定します
  • バックアップファイルの自動作成:「常にバックアップファイルを作成する」オプションを有効にすることで、問題発生時の復旧が容易になります
  • 保存時の警告表示:「保存前にファイルのプロパティを確認する」オプションを有効にして、潜在的な問題を事前に検出します
  • クラウド保存時の自動保存を無効化:Box、OneDrive、SharePointに保存されているファイルを編集する際は、自動保存機能を無効にして手動保存を基本とします

ファイル管理のベストプラクティス

日常的なファイル管理において、以下の習慣を身につけることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

  • 定期的なローカルバックアップ:重要なファイルは週に一度、外付けドライブや別のクラウドストレージにバックアップを作成します
  • バージョン管理の実践:ファイル名に日付やバージョン番号を含めることで(例:予算書_2025-10-13_v1.xlsx)、異なるバージョンを明確に区別できます
  • 複数のバックアップ先の確保:Box、OneDrive、Google Driveなど、複数のクラウドストレージサービスを併用することでリスクを分散します
  • 編集中の保存頻度:重要な変更を行った際には、自動保存に頼らず手動でこまめに保存する習慣をつけます(Ctrl+Sを活用)
  • クラウド同期中の編集を避ける:Box Drive、OneDriveなどのステータスアイコンを確認し、同期中は編集作業を避けるか、同期を一時停止します

よくある質問(FAQ)

Q1:Box for Officeをインストールしてからこのエラーが頻繁に出るようになりました。どうすればよいですか?

A:Box for Officeは確かにこのエラーの主要な原因の一つです。Box for OfficeはOfficeアプリケーションとBoxを直接統合し、自動同期機能を有効にするため、ファイルの保存処理とBox側の同期が競合しやすくなります。以下の対処法を順番に試してください。まず、Box for Officeの自動保存機能を無効化します。次に、ファイルを編集する際は、Box for Office経由ではなく、ファイルを一度ローカルにダウンロードしてから編集し、完了後に再アップロードする運用に変更します。それでも問題が続く場合は、Box for Officeを一時的にアンインストールし、Box DriveまたはWebブラウザ経由でのファイル管理に切り替えることをお勧めします。多くのユーザーがBox for Officeをアンインストールすることで問題が解決したと報告しています。

Q2:このエラーが表示された場合、データは失われてしまいますか?

A:基本的にデータが完全に失われることはありません。Box、OneDrive、Excelはいずれも自動的にバックアップや自動回復用のファイルを作成しているため、最新の状態に復元できる可能性が高いです。Boxの場合は、Webインターフェースからファイルのバージョン履歴を確認できます。OneDriveも同様にバージョン履歴機能があります。Excelでも「ファイル」→「情報」→「バージョンの管理」から以前のバージョンを確認できます。ただし、100%の安全を保証するものではないため、重要なファイルについては定期的に手動でバックアップを取ることを強くお勧めします。

Q3:WordやPowerPointでも同じエラーが発生するのですが、対処法は同じですか?

A:はい、このエラーはExcelに限らず、Word、PowerPoint、Outlookなど、Microsoft 365のすべてのOfficeアプリケーションで発生する可能性があります。特にBox for Officeをインストールしている環境では、すべてのOfficeアプリケーションでこの問題が発生しやすくなります。原因も解決方法も基本的に同じですので、本記事で紹介した方法をそのまま適用できます。特に「ファイルを別名でローカルに保存する」方法と「Box for Officeの無効化」は、どのアプリケーションでも最も確実な対処法となります。

Q4:会社でBoxを使っており、このエラーが頻繁に発生します。どうすればよいですか?

A:企業環境でBoxを使用している場合、個人での設定変更には限界があります。まずは本記事で紹介した「Box for Officeの無効化」と「ローカル編集後のアップロード」を試してください。それでも解決しない場合は、社内のIT管理者またはBox管理者に相談することをお勧めします。特に以下の点を確認してもらうとよいでしょう。Boxのアクセス権限設定、Box for Officeの組織全体での設定ポリシー、Box Driveの同期設定、ネットワークの帯域幅と安定性、ファイアウォールやプロキシの設定。また、企業によってはBox Editという別のツールの使用を推奨している場合もありますので、IT部門に確認してください。

Q5:一度解決しても、しばらくするとまた同じエラーが発生します。根本的に直す方法はありますか?

A:エラーが繰り返し発生する場合は、その場しのぎの対処ではなく、根本的な設定の見直しと運用方法の変更が必要です。Box環境の場合、最も効果的なのは「Box for Officeを完全にアンインストールする」ことです。Box for Officeは便利な機能ですが、Excelの保存機能との相性問題が根本的な原因となっているケースが多いためです。アンインストール後は、Box DriveでファイルをローカルPC上の同期フォルダに配置し、通常のローカルファイルとして編集するか、重要なファイルは完全にローカルで作業して完了後にBox Webにアップロードする運用に切り替えてください。OneDrive環境の場合も同様に、本記事の「予防策と推奨設定」セクションで紹介したすべての設定を見直し、特に自動保存機能とクラウド同期の競合を避ける設定を徹底します。また、インターネット接続の安定性も重要な要素です。接続が不安定な環境では、同期エラーが発生しやすくなります。それでも解決しない場合は、Microsoftサポートまたは使用しているクラウドストレージのサポートに詳細なログとともに問い合わせることをお勧めします。

Q6:複数人で同じファイルを同時に編集したい場合、どうすればエラーを避けられますか?

A:複数人での同時編集を行う場合は、使用しているクラウドストレージによって最適な方法が異なります。Box環境の場合、Box for Officeを使用すると競合が発生しやすいため、BoxのWebインターフェースからOffice Onlineを使用するか、事前に編集担当者を決めて順番に作業することをお勧めします。OneDriveまたはSharePointの場合は、Excelの「共同編集」機能を正しく使用することで、リアルタイムでの同時編集が可能です。ファイルをOneDriveまたはSharePointに保存し、Excel 365で開くことで、各ユーザーの変更が自動的に同期されます。ただし、古いバージョンのExcelを使用している場合や、マクロを含むファイル(.xlsmファイル)の場合は共同編集が制限されることがあります。また、SharePointのチェックアウト機能を使用している場合は同時編集ができないため注意が必要です。重要なファイルの場合は、編集スケジュールを事前に調整し、一人ずつ順番に編集する運用が最も安全で確実です。

Q7:Box DriveとBox for Officeの違いは何ですか?どちらを使うべきですか?

A:Box DriveとBox for Officeは異なる機能を持つツールです。Box DriveはBoxのクラウドストレージをローカルドライブのように使用できる同期ツールで、エクスプローラーからファイルにアクセスできます。一方、Box for OfficeはOfficeアプリケーション内に統合され、Officeから直接Boxのファイルを開いたり保存したりできる機能です。「ファイルは名前が変更されました」エラーに関しては、Box for Officeが原因となることが多いため、以下の運用をお勧めします。Box Driveのみをインストールし、Box for Officeはアンインストールする。ファイルの編集はBox Driveの同期フォルダ内でローカルファイルとして行う。または、Box Driveも使用せず、Boxから必要なファイルをダウンロードし、完全にローカルで編集後に再アップロードする。この運用により、エラーの発生を大幅に減らすことができます。

まとめ:根本解決は「Box for Officeの見直し」と「ローカル保存の徹底」

このエラーの多くは、クラウド同期とExcelの保存処理の競合によって起こります。
「ローカル保存+手動アップロード」という基本を守ることで、再発をほぼ防げます。

著者
古見遊 正

流通業で働きながら、2005年からWindowsを使い続けている80年代生まれのサラリーマン。ExcelとPowerPointを極め、仕事の効率化を追求中。苦手だったWordも克服中!Excelを使いこなせるだけで周囲から『神扱い』されるけれど、そのせいで『システムに詳しい人』だと勘違いされがち。でも、それが新しい知識を得るきっかけになった。そんな経験を活かして、Excel・PowerPoint・Word・Windowsの時短ワザ&仕事術を発信中!

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