
- 「ファイルが開けない!」そんな緊急事態でも大丈夫です
- Excelの3種類のパスワードと保護レベルを理解する
- 方法1:パスワードを思い出すための工夫【無料・即効性あり】
- 方法2:Excelの機能を活用した解除方法【無料・XML編集】
- 方法3:VBAマクロでExcelシートのパスワードを自動解除する方法【無料・自動化】
- 方法4:専用ソフトウェア比較表【無料・有料ツール】
- 方法5:Microsoftサポートへの相談【公式サポート】
- 開けないExcelファイルのパスワードを調べる方法はある?
- 🔍 解除方法診断フローチャート
- 予防策:今後パスワードを忘れないために
- セキュリティ上の注意事項
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:パスワードを忘れてもあきらめる必要はありません
- 📚 関連記事・お役立ちリンク
「ファイルが開けない!」そんな緊急事態でも大丈夫です
大切なExcelファイルを開こうとしたときに、「あれ?パスワードが思い出せない…」と焦った経験はありませんか?
特に業務用の資料や顧客データなど、すぐに開かないと困るファイルの場合、まさに一刻を争うトラブルです。
この記事では、自分で作成したExcelファイルのパスワードを忘れた場合に、無料&安全に解除できる方法をわかりやすく解説します。
Excelの3種類のパスワードと保護レベルを理解する
1. ファイル全体の保護パスワード
- ファイルを開く際に必要なパスワード
- 最も強固な保護レベル
2. シート保護パスワード
- 特定のワークシートの編集を制限
- 比較的解除しやすい
3. ブック保護パスワード
- シートの追加・削除・移動を制限
- 中程度の保護レベル
方法1:パスワードを思い出すための工夫【無料・即効性あり】
よく使用するパスワードパターンを試す
- 誕生日や記念日の組み合わせ(例:19XX0101)
- 家族やペットの名前+数字
- 会社名や部署名の略称
- 以前使用していたパスワードの変形
パスワードのヒントを探す
- ファイル名にヒントが含まれていないか確認
- 作成日時から推測できる情報がないか検討
- 同時期に作成した他のファイルのパスワードを参考にする
📌 対応バージョン:全てのExcelバージョン
👨💻 推奨ユーザー:誰でも可能
💰 費用:完全無料
方法2:Excelの機能を活用した解除方法【無料・XML編集】
シート保護パスワードの解除手順
【図解付き手順】XML編集によるシート保護解除
Excel 2019/2016/2013の場合:
- 保護されたExcelファイルを開く
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択
- ファイル形式を「XML形式(.xml)」に変更して保存
- 保存したXMLファイルをメモ帳などのテキストエディタで開く
- 以下のような行を探す(複数ある場合は全て削除):
<sheetProtection passwordHash="CC1A94A6" sheet="1" objects="1" scenarios="1"/> <sheetProtection algorithmName="SHA-1" hashValue="abcd1234" spinCount="100000"/> - この行全体を削除する(Ctrl+Fで検索窓を開き
<sheetProtectionと検索すると見つけやすい) - Ctrl+Sで変更を保存してExcelで開き直す
Excel 2010以前の場合:
- ファイルの拡張子を
.xlsxから.zipに変更 - ZIPファイルとして右クリック→「すべて展開」
xl/worksheets/フォルダ内のsheet1.xml(または該当シート)を開く<sheetProtection>で始まる行を削除- ファイルを保存後、フォルダ全体を再度ZIP圧縮
- 拡張子を
.zipから.xlsxに戻す
<sheetProtectionで検索(Ctrl+F)すると該当箇所がすぐに見つかります。📌 対応バージョン:Excel 2010 / 2013 / 2016 / 2019 / 365
👨💻 推奨ユーザー:ファイル操作に慣れている人
💰 費用:完全無料
⚡ 効果:シート保護・ブック保護に有効
方法3:VBAマクロでExcelシートのパスワードを自動解除する方法【無料・自動化】
シート保護解除用VBAコード
Sub UnprotectSheet()
Dim ws As Worksheet
Dim password As String
Dim i As Integer, j As Integer, k As Integer
Set ws = ActiveSheet
' 3文字のパスワードを総当たりで試行
For i = 65 To 90 ' A-Z
For j = 65 To 90
For k = 65 To 90
password = Chr(i) & Chr(j) & Chr(k)
On Error Resume Next
ws.Unprotect password
' 解除成功の判定
If ws.ProtectContents = False Then
MsgBox "パスワード解除成功!パスワードは " & password & " です"
Exit Sub
End If
On Error GoTo 0
Next k
Next j
Next i
MsgBox "3文字以内のパスワードが見つかりませんでした。より長いパスワードの可能性があります。"
End Sub
VBA実行手順(図解付き)
- Alt + F11でVBAエディタを開く
- 「挿入」→「標準モジュール」を選択
- 上記コードを貼り付け
- F5で実行
- パスワードが見つかるまで待機(数分~数時間)
📌 対応バージョン:Excel 2003 / 2007 / 2010 / 2013 / 2016 / 2019 / 365
👨💻 推奨ユーザー:VBA操作の経験がある人
💰 費用:完全無料
⚡ 効果:短いパスワードのシート保護に効果的
方法4:専用ソフトウェア比較表【無料・有料ツール】
| ツール名 | 対応範囲 | 価格 | 特徴 | 試用可否 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|
| Excel Password Recovery Lastic | シート・ブック保護 | 無料(制限あり) | 軽量・簡単操作 | ✅ 可能 | ⭐⭐⭐☆☆ |
| Passper for Excel | ファイル全体含む | 有料($19.95~) | AI搭載・高速解析 | ✅ 試用版あり | ⭐⭐⭐⭐☆ |
| Advanced Office Password Recovery | 全保護形式対応 | 約$49~ | GPU加速・高精度 | ❌ 有料のみ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| Excel Password Refixer | シート~全保護対応 | 約$29~ | 日本語UI・初心者向け | ✅ 可能 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
🆓 無料ツールの詳細
Excel Password Recovery Lastic(一部無料)
- 得意分野:3文字以下のシンプルなパスワード
- 制限事項:文字数・文字種に制限あり
- ダウンロード時の注意:公式サイトからのみ入手
Passper for Excel(試用版無料)
- 得意分野:辞書攻撃による一般的なパスワード
- 試用版制限:解除結果の一部のみ表示
- 特徴:日本語パスワードにも対応
💰 有料ツールの特徴
🥇 Advanced Office Password Recovery(最高性能)
- 価格:Standard版 $49 / Professional版 $99
- 特徴:GPU並列処理で高速解析
- 対応:Excel 97-2019、Office 365まで全対応
- 成功率:業界トップクラス
🥈 Excel Password Refixer(コスパ重視)
- 価格:約$29.95
- 特徴:日本語UIで操作が簡単
- 対応:ブルートフォース・辞書・マスクアタック
- サポート:日本語メールサポートあり
📌 対応バージョン:Excel 97-2019 / 365
👨💻 推奨ユーザー:初心者でも可能
💰 費用:無料~$50程度
⚡ 効果:ファイル全体の保護にも対応
ツール使用時の注意点
- ✅ 信頼できる開発元のソフトを選択
- ✅ ウイルススキャンを実行してから使用
- ✅ 重要なファイルは事前にバックアップを作成
- ❌ 怪しいサイトからのダウンロードは避ける
方法5:Microsoftサポートへの相談【公式サポート】
サポート対象となるケース
- Microsoft 365のビジネスプラン利用者
- 企業での大量ライセンス利用者
- 法的に所有権を証明できる場合
必要な情報
- ライセンス情報(プロダクトキーなど)
- ファイルの作成者証明(メール履歴など)
- 使用目的の詳細説明
📌 対応バージョン:サポート対象の全バージョン
👨💻 推奨ユーザー:企業ユーザー、ビジネスプラン契約者
💰 費用:サポート契約内なら無料
⚡ 効果:ケースバイケース(保証なし)
開けないExcelファイルのパスワードを調べる方法はある?
結論から言うと、「開けない」状態(=ファイル保護)のパスワードを調べる手段はほとんどなく、解除・復元を試みるしかありません。
なぜパスワードを「調べる」ことができないのか?
Excelのファイル保護は、パスワードを暗号化された形で保存しており、元のパスワード文字列を直接確認することは技術的に不可能です。これは以下の理由によります:
- ハッシュ化: パスワードはSHA-1やSHA-256でハッシュ化されている
- 暗号化: ファイル全体が強固な暗号アルゴリズムで保護されている
- セキュリティ設計: Microsoftが意図的に「解読不可能」に設計
現実的な対処法
そのため、本記事で紹介しているような以下の方法が現実的な解決策となります:
- パスワードパターンの再確認(方法1)
- 専用ツールによる解除・復元(方法4)
- VBAやXML編集による迂回的解除(方法2・3)
🔍 解除方法診断フローチャート
↓
❓ ファイルをダブルクリックした時にパスワードを求められる?
├─ YES → 【ファイル全体保護】
│ ↓
│ 💰 方法4(専用ツール)を推奨
│ ├─ 予算あり → Advanced Office Password Recovery
│ └─ 無料希望 → Passper試用版 → Excel Password Recovery Lastic
│
└─ NO → ファイルは開けるがセルが編集できない
↓
❓ あなたのPC操作レベルは?
├─ 上級者 → 🚀 方法2(XML編集)※最速
├─ 中級者 → 🔧 方法3(VBA実行)
└─ 初心者 → 💻 方法4(ツール使用)
📊 成功率の目安
| パスワードタイプ | 方法1(推測) | 方法2(XML) | 方法3(VBA) | 方法4(ツール) |
|---|---|---|---|---|
| 3文字以下の英数字 | 30% | 95%* | 90% | 95% |
| 4-6文字の英数字 | 10% | 95%* | 70% | 85% |
| 7文字以上・複雑 | 5% | 95%* | 10% | 60% |
| 日本語含む | 15% | 95%* | 5% | 40% |
*シート保護・ブック保護のみ対象
予防策:今後パスワードを忘れないために
パスワード管理の基本
- パスワード管理ツールの活用
- 1Password、LastPass、Bitwardenなど
- 安全で確実なパスワード保存
- パスワードのパターン化
- 覚えやすいルールを作成
- 定期的な見直しと更新
バックアップ戦略
- 複数の保存場所
- クラウドストレージの活用
- 外部メディアへのバックアップ
- パスワード無しコピーの作成
- 定期的な作業用コピーを作成
- 重要度に応じた保護レベルの調整
セキュリティ上の注意事項
個人情報保護
- 第三者のファイルのパスワード解除は法的問題となる可能性
- 企業のファイルは必ず上司や管理者に相談
- パスワード解除ツールの使用は自己責任
データの安全性
- 解除作業前の必須バックアップ
- 信頼できない外部サービスの利用は避ける
- 作業後のパスワード再設定
よくある質問(FAQ)

Q. Excelのパスワードって本当に解除できるの?

A. 条件次第では解除可能です。特に「シート保護」や「ブック保護」はVBAやXML編集で解除できるケースが多いです。ただし、ファイル全体の保護パスワードは複雑な場合、時間がかかることがあります。

Q. 無料で解除できる方法はある?

A. シート保護やブック保護であれば、VBAマクロやXML編集で無料で対応可能です。ファイル全体の保護は無料ソフトでは制限がある場合が多いです。

Q. どの方法が最も確実で早い?

A. シート保護の場合はXML編集(方法2)が最速です。ファイル保護の場合は専用ツール(方法4)が確実です。パスワードの複雑さによって成功率は変わります。


A. 正しい手順で行えばファイルが壊れることはほとんどありません。ただし、作業前のバックアップは必須です。特にXML編集時は注意が必要です。

Q. 会社のファイルでも同じ方法が使える?

A. 技術的には可能ですが、会社のポリシーや法的問題を考慮し、必ず管理者に相談してください。無断での解除は就業規則違反となる可能性があります。

Q. パスワードが長くて複雑な場合はどうすれば?

A. 10文字以上の複雑なパスワードの場合、VBAでは現実的ではありません。専用の有料ツールを使用するか、パスワードのヒントから推測する方法を試してください。

Q. Excel 365でも古い方法は使える?

A. 基本的に使えますが、セキュリティ強化により一部制限される場合があります。最新バージョンでは専用ツールの使用を推奨します。

Q. Macでも同じ方法で解除できる?

まとめ:パスワードを忘れてもあきらめる必要はありません
Excelのパスワードを忘れた場合の解除方法は複数ありますが、最も重要なのは予防策です。しかし、既に困っている状況であれば、以下の順序で試してみてください:
🚀 推奨する解除手順
- まずは思い出す努力(方法1)- 5分程度
- シート保護ならXML編集(方法2)- 10分程度
- VBAが使えるなら自動化(方法3)- 30分~数時間
- 確実性を求めるなら専用ツール(方法4)- 数千円の投資
- 企業ユーザーなら公式サポート(方法5)- 数日~数週間
⚠️ 重要な注意点(再確認)
- ✅ 作業前のファイルバックアップは必須
- ✅ 自分が作成したファイルのみを対象とする
- ✅ 信頼できるツールやソフトウェアを使用
- ✅ セキュリティとプライバシーを確保
- ❌ 第三者のファイルの無断解除は法律違反
📝 今後の予防策チェックリスト
- パスワード管理ツール(1Password、LastPassなど)の導入
- 定期的なバックアップ体制の構築
- パスワード無しコピーの定期作成
- チーム共有ファイルのパスワード管理ルール策定
適切な方法を選択し、安全にパスワード解除を行い、重要なデータを取り戻しましょう。今後は同じ問題が発生しないよう、効果的なパスワード管理システムの導入を強く推奨します。
📚 関連記事・お役立ちリンク
📞 困った時のサポート窓口
- Microsoft公式サポート: https://support.microsoft.com/ja-jp
- Office 365ヘルプセンター: 企業向けサポート情報
- Excel UserVoice: 機能改善要望の投稿
この記事が「Excel パスワード 忘れた」「ファイル 開けない」でお困りの方のお役に立てれば幸いです。











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