
Wordで文書を作っていて「行間を狭くしたいのに設定を変えても全然変わらない…」と困ったことはありませんか?実はこれ、多くの人が悩んでいる問題なのです。
この記事では、行間が詰められない原因とその解決法を、初心者の方でもわかるように丁寧に解説します。画面を見ながら一緒に操作していけば、必ず解決できると思います。
まず確認!最も多い原因は「行グリッド線」
行間が詰められない原因の約80%は、「行グリッド線」という設定が原因です。難しそうに聞こえますが、解除方法はとても簡単です。
行グリッド線って何?
Wordには、横罫線ノートのように見えない基準線が引かれています。これが「行グリッド線」です。1ページの行数を揃えるための便利な機能なのですが、この設定がオンになっていると:
- フォントサイズを大きくすると勝手に行間が広がる
- 行間を「固定値」で設定しても効かない
- 特に「游明朝」「游ゴシック」「メイリオ」で顕著に現れる
解決方法:行グリッド線の設定を解除する
- 行間を詰めたい部分を選択(文書全体なら「Ctrl + A」で全選択)
- 「ホーム」タブの「段落」グループにある「行と段落の間隔」ボタンをクリック
- メニューから「行間のオプション」を選択
- 開いた画面の下の方にある「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
これだけで、ほとんどの場合は解決します!
もっと細かく調整したい場合
グリッド線設定を解除した後、さらに行間を調整したいときは:
- 同じように「段落」ダイアログボックスを開く
- 「間隔」の「行間」で「固定値」を選択
- 「間隔」に数値を入力(フォントサイズ12ptなら16〜18pt程度がおすすめ)
注意:間隔の数値をフォントサイズより小さくすると、文字が重なって読めなくなります。フォントサイズ12ptなら、最低でも12pt以上に設定してください。
それでも詰まらないときの4つの原因と対処法
原因2:文書に保護がかかっている
他の人から受け取った文書や、テンプレートを使っている場合、文書が保護されていて編集できないことがあります。
こんな症状はありませんか?
- 「選択範囲がロックされているため、この変更はできません」と表示される
- 一部の機能がグレーアウトしてクリックできない
- 「校閲」タブに「保護の中止」ボタンが表示されている
解決方法:
- 「校閲」タブをクリック
- 「保護」グループの「編集の制限」をクリック
- 右側に表示される画面で「保護の中止」ボタンをクリック
- パスワードが設定されている場合は入力
パスワードがわからない場合:文書の内容をコピーして、新しい空白の文書に貼り付けるという方法があります。
原因3:フォントの種類が影響している
使っているフォントによっては、文字自体の高さが大きく、行間が広く見えることがあります。
行間が広がりやすいフォント:
- 游明朝・游ゴシック(Word 2016以降の標準フォント)
- メイリオ(読みやすさ重視の設計)
- UDデジタル教科書体
解決方法1:フォントを変更する
- MS 明朝・MS ゴシック:行間が詰まりやすい従来の標準フォント
- BIZ UD明朝・BIZ UDゴシック:游明朝・游ゴシックより行間が詰まりやすい
解決方法2:フォントは変えずに調整
游明朝やメイリオを使い続けたい場合は、「原因1」で説明した行グリッド線の設定を解除し、行間を「固定値」に設定してください。
間隔の目安:
- フォントサイズ10.5pt → 間隔16〜18pt
- フォントサイズ12pt → 間隔18〜20pt
- フォントサイズ14pt → 間隔20〜22pt
原因4:段落スタイルが適用されている
Wordの「標準」「見出し1」などの「スタイル」に行間設定が含まれていると、個別に変更してもスタイルの設定が優先されてしまいます。
確認方法:
- 行間を変更したい段落にカーソルを置く
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループを確認
- 「標準」以外のスタイルが選択されていないかチェック
解決方法1:スタイルを「標準」に戻す
- 段落を選択
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループで「標準」をクリック
- 行間を改めて設定
解決方法2:スタイル自体の行間設定を変更
文書全体で同じスタイルを使っている場合は、スタイルの設定を変更すると効率的です。
原因5:行間設定の方法が間違っている
よくある間違い1:「1.0」「1.15」などの簡易設定だけで調整しようとしている
これらの設定はフォントサイズに連動するため、細かい調整には向いていません。「行間のオプション」から「固定値」で数値指定しましょう。
よくある間違い2:段落前後の間隔と混同している
「段落前」「段落後」は段落と段落の間の余白であり、行間とは別物です。これらが「0pt」になっているか確認してください。
よくある間違い3:「最小値」と「固定値」を混同している
- 最小値:指定した値を最低限確保。文字が大きい場合は自動で広がる
- 固定値(推奨):どんな文字サイズでも指定した値で完全固定
多くの場合、「固定値」を選ぶのがおすすめです。
表・テキストボックスの行間を詰める方法
表の中の行間を詰める
- 行間を詰めたいセルを選択
- 「ホーム」タブの「行と段落の間隔」から「行間のオプション」
- 「行グリッド線に合わせる」のチェックを外す、または行間を「固定値」で設定
- 「OK」をクリック
テキストボックスの中の行間を詰める
- テキストボックスをクリック
- テキストボックス内の文字を全選択(「Ctrl + A」)
- 「ホーム」タブの「行と段落の間隔」から「行間のオプション」
- 行グリッド線の設定を解除、または固定値で設定
今後のために:行間トラブルを予防する設定
毎回行間に悩まされないために、新規文書作成時に以下の設定をしておくのがおすすめです。
1. 標準スタイルの行間設定を変更
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループ右下の矢印をクリック
- 「標準」スタイルにマウスを合わせ、右側の「▼」から「変更」
- 左下の「書式」から「段落」をクリック
- 「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」のチェックを外す
- 行間を「固定値」、間隔を「18pt」などに設定
- 左下の「この文書に基づく新規文書」を選択して「OK」
これで次回から新しい文書を作成する時に、自動的にこの設定が適用されます。
2. ページ設定で行グリッド線を無効化
- 「レイアウト」タブの「ページ設定」グループ右下の矢印をクリック
- 「文字数と行数」タブで「行数だけを指定する」または「標準の文字数を使う」を選択
- 「OK」をクリック
3. フォントは最初から決めておく
途中でフォントを変更すると行間が乱れて調整し直しになります。游明朝・游ゴシックを使う場合は、最初から行間調整が必要になることを想定しておきましょう。
よくある質問
Q. 行間を詰めたら文字が重なってしまいました
行間の「間隔」の数値がフォントサイズより小さくなっています。フォントサイズ12ptなら、間隔も最低12pt以上に設定してください。読みやすさを考えると、フォントサイズ+4〜6pt程度(12ptなら16〜18pt)がおすすめです。
Q. 行間を詰めたら、1ページに収まっていた文書が2ページになりました
「レイアウト」タブの「ページ設定」から「文字数と行数」タブで、「行数」の値を増やすことで、1ページに収まる行数を増やせます。
Q. PDFに変換したら行間が広がってしまいました
「ファイル」→「名前を付けて保存」→「PDF」で保存する際に、「オプション」から「フォントの埋め込み」を有効にしてください。
Q. 他の人から受け取ったWordファイルの行間が詰められません
以下を順番に確認してください:
- 文書保護がかかっていないか
- 行グリッド線の設定
- スタイルの設定
それでも解決しない場合は、内容をコピーして新しい文書に貼り付けるのが確実です。
Q. 行間を詰めると文字が切れて見えなくなります
ルビ(ふりがな)や上付き文字が含まれていませんか?これらは通常の文字より高さが必要なので、その段落だけ行間を「最小値」にするか、「固定値」の間隔を大きめに設定してください。
Q. コピー&ペーストすると勝手に行間が広がります
貼り付け後、右下に表示される「貼り付けのオプション」アイコンをクリックして「テキストのみ保持」を選択すると、書式がクリアされます。
Q. Macを使っていますが、設定方法は同じですか?
基本的な操作は同じですが、一部のメニュー名が異なります。「レイアウト」タブは「ページレイアウト」、「ページ設定」は「フォーマット」→「文書のレイアウト」となります。行間の設定方法自体は全く同じです。
Q. Word Onlineでも行間を詰められますか?
Word Online(ブラウザ版)でも基本的な行間変更は可能ですが、「行グリッド線に合わせる」のチェックを外すなど、詳細な設定はデスクトップ版でしかできません。細かい調整が必要な場合は「デスクトップアプリで開く」をクリックしてください。
行間が詰められないときのチェックリスト
行間が詰められない時は、以下の順番で確認してみてください:
- 【最優先】行グリッド線の設定を確認 → 「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」のチェックを外す
- 文書保護がかかっていないか確認 → 「校閲」タブで「保護の中止」
- フォントを確認 → 游明朝・メイリオなら、行間を「固定値」で調整
- 段落スタイルを確認 → 「標準」スタイルに戻す、またはスタイル自体を変更
- 行間設定の方法を確認 → 「固定値」で数値指定、段落前後の余白も確認
特に「行グリッド線の設定」は約80%の原因なので、まずはここから試してみてください。これらを順番に試せば、ほぼすべてのケースで行間問題は解決します。
行間を適切に調整することで、読みやすくプロフェッショナルな文書が作成できます。この記事を参考に、Wordの行間設定をぜひマスターしてください!











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