
PDFファイルをダブルクリックしたら、Adobe Acrobat ReaderではなくMicrosoft Edgeが立ち上がってしまう。注釈を入れたいのに、印刷設定を細かく調整したいのに、開くのはいつもEdge……。
もう面倒くさいからこのままでいいや。。
Windowsパソコンを使っていると、多くの方が一度はぶつかる悩みです。
原因は、WindowsとEdgeの初期設定にあります。Windows 10/11では、PDFを開く既定のアプリが最初からMicrosoft Edgeに設定されており、Edge自体にもPDFをタブ内で表示する機能が標準で備わっています。つまり「何もしなければEdgeで開く」のが標準の状態で、Adobeで開くには設定を変更する必要があります。
ただし、ひとくちに「Edgeで開いてしまう」と言っても、症状には「保存したPDFファイルがEdgeで開く」「Web上のPDFリンクがEdgeで開く」の2種類があり、直すべき設定が異なります。
この記事では、PDFをAdobe Acrobat Reader(以下「Acrobat Reader」)で開くようにする設定手順を、症状別・Windows 11/10別に解説します。さらに「設定したのに直らない」場合のチェックリスト、逆に「Edgeで開きたいのにAdobeで開いてしまう」場合の対処法まで、この1記事で解決できるようにまとめました。
この記事で解決するのは、PDFが「Edgeだけで開く」症状です。「EdgeとAcrobat Readerの両方が同時に立ち上がってしまう」症状の場合は原因が異なるため、下記の記事をご覧ください。
PDFファイルがブラウザ(エッジ・クローム)とPDFアプリの二つで開く問題の完全解決ガイド
まず症状を切り分けましょう
最初に、ご自身の症状が次のどちらか(あるいは両方か)を確認してください。ここを取り違えると、正しい手順で設定しても症状が直りません。
| 症状 | 原因となる設定 | 読むべきセクション |
|---|---|---|
| デスクトップやフォルダに保存したPDFファイルをダブルクリックするとEdgeで開く | Windowsの「既定のアプリ」設定 | 対処法1 |
| WebサイトのPDFリンクをクリックするとEdgeのタブ内で表示される | Edge本体のPDF表示設定 | 対処法2 |
両方の症状がある方は、対処法1と対処法2の両方を設定してください。片方だけではEdgeで開く動作が残ります。この点が「設定したのに直らない」と感じる最大の原因なので、後ほど詳しく説明します。
対処法1:PDFの既定アプリをAcrobat Readerに変更する
保存済みのPDFファイルをダブルクリックしたときにEdgeが立ち上がる場合は、Windowsの「既定のアプリ」をAdobe Acrobat(またはAdobe Acrobat Reader)に変更します。
※お使いのパソコンにAcrobat Readerがインストールされていない場合は、先にAdobe公式サイトから無料版をインストールしておいてください(この記事の「よくある質問」にも補足があります)。なお、インストール状況によってはアプリ一覧での表示名が「Adobe Acrobat」となっていることがありますが、同じものとして読み替えてください。
Windows 11での手順
- スタートボタンを右クリックし、「設定」を開きます。
- 左メニューの「アプリ」をクリックし、「既定のアプリ」を選択します。
- 「ファイルの種類またはリンクの種類の既定値を設定する」の検索ボックスに「.pdf」と入力します。
- 「.pdf」の下に表示されている現在のアプリ(Microsoft Edge)をクリックします。
- 「切り替え前に」という確認画面が表示された場合は、「強制的に変更する」をクリックします。
- アプリの一覧から「Acrobat Reader」(環境によっては「Adobe Acrobat」と表示されます)を選択し、「既定値を設定する」をクリックします。
「.pdf」欄の表示がAcrobat Readerに変わっていれば設定完了です。PDFファイルのアイコンも、Edgeのアイコンから赤いAdobeのアイコンに変わります。
Windows 10での手順
- スタートメニューから「設定」を開きます。
- 「アプリ」→「既定のアプリ」の順にクリックします。
- 画面を下にスクロールし、「ファイルの種類ごとに既定のアプリを選ぶ」をクリックします。
- 一覧はアルファベット順に並んでいます。「.pdf」までスクロールし、右側に表示されているアプリ(Microsoft Edge)をクリックします。
- 「アプリを選ぶ」から「Acrobat Reader」(環境によっては「Adobe Acrobat」と表示されます)を選択します。
右クリックから変更する方法(Windows 11/10共通・最速)
設定画面を開かなくても、PDFファイルの右クリックから直接変更できます。手数が少ないので、こちらのほうが簡単です。
- 任意のPDFファイルを右クリックします。
- 「プログラムから開く」にカーソルを合わせ、「別のプログラムを選択」をクリックします。
- アプリの一覧から「Acrobat Reader」を選択します。
- ここが重要です。Windows 11では「常に使う」ボタンを、Windows 10では「常にこのアプリを使って.pdfファイルを開く」のチェックを必ず選択してから確定してください。「一度だけ」を選ぶと、その1回しか適用されず、次回はまたEdgeで開いてしまいます。
対処法2:Web上のPDFリンクをEdgeの中で開かせない
WebサイトのPDFリンクをクリックしたときにEdgeのタブ内で表示されてしまう場合は、Edge本体の設定を変更し、PDFを「表示」ではなく「ダウンロード」させるようにします。
Edgeの「常にPDFファイルをダウンロード」をオンにする
- Edgeを開き、右上の「…」(設定など)をクリックして「設定」を選択します。
- 左メニューの「Cookieとサイトのアクセス許可」をクリックします。
- 一覧から「PDFドキュメント」を選択します。
- 「常にPDFファイルをダウンロード」のスイッチをオンにします。
これで、PDFリンクをクリックするとEdge内で表示されずにダウンロードされ、開くときは既定のアプリ(=対処法1で設定したAcrobat Reader)が使われるようになります。設定変更後は、開いているタブを一度閉じてから動作を確認してください。
この設定だけでは不十分な理由
実は、Edgeのこの設定画面には次のような注意書きがあります。
Microsoft Edge が既定の PDF Reader の場合、PDF ファイルはダウンロードせずに自動的に開きます。
つまり、Windowsの既定アプリがEdgeのままだと、「常にPDFファイルをダウンロード」をオンにしてもEdge内で開いてしまうのです。対処法2は、対処法1(既定アプリの変更)とセットで初めて機能します。Edge側の設定だけを変えて「直らない」と悩んでいる方が非常に多いので、必ず両方を確認してください。
設定したのに直らない場合のチェックリスト
対処法1・2を両方設定してもEdgeで開いてしまう場合は、次の項目を順に確認してください。
Acrobat Reader側の設定を確認する
Acrobat Readerには、ダウンロードしたPDFの開き方をブラウザと連動させる設定項目があります。環境設定の「一般」カテゴリにある「ウェブから保存したPDFを必ず開く」といった項目がオンになっていると、意図しない開き方の原因になることがあります。チェックを外して動作を確かめてください。
※この設定の正確な場所を本記事で断定していないのは、Acrobat Readerがアップデートで画面構成が大きく変わっており、バージョンによって環境設定の開き方(「編集」メニューから開くタイプと、画面左上のメニューから開くタイプ)や項目名が異なるためです。お使いのバージョンの環境設定画面で、上記に近い名称の項目を探してください。
WindowsやEdgeの更新後に設定が戻っていないか確認する
Windows UpdateやEdge・Acrobatのアップデートのタイミングで、既定アプリの設定やEdgeのPDF設定が初期状態に戻ってしまう事例が報告されています。「以前は直っていたのに、ある日からまたEdgeで開くようになった」という場合は、まず対処法1・2の設定が維持されているかを確認してください。設定が戻っていた場合は、再度同じ手順で設定し直せば解決します。
会社のパソコンの場合
会社支給のパソコンでは、グループポリシーなどの管理設定によって既定アプリの変更が制限されている、あるいは一定期間で自動的に元に戻されることがあります。また、Acrobat Readerのインストール自体に管理者権限が必要な運用になっている職場も少なくありません。設定を変更しても反映されない・すぐ戻ってしまう・そもそもインストールできないという場合は、社内のIT管理部門に相談してください。
逆パターン:AdobeではなくEdgeで開きたい場合
ここまでとは逆に、「閲覧するだけだからEdgeで手軽に開きたいのに、Acrobat Readerが起動してしまう」というケースもあります。Acrobat Readerのインストール後や更新後に、既定アプリが切り替わってしまった場合によく起こります。
既定アプリをMicrosoft Edgeに戻す
手順は対処法1と同じで、選ぶアプリが逆になるだけです。設定の「既定のアプリ」で「.pdf」を検索し、Acrobat Readerになっている箇所を「Microsoft Edge」に変更してください。右クリック→「プログラムから開く」→「別のプログラムを選択」からEdgeを選び、「常に使う」を選択する方法でも構いません。
なお、Acrobat Readerをアンインストールする必要はありません。既定アプリをEdgeにしたうえで、注釈や署名などの作業が必要なときだけ右クリックの「プログラムから開く」でAcrobat Readerを使う、という使い分けが便利です。
Acrobat Readerに既定アプリを奪われないようにする
Acrobat Readerは起動時に「既定のPDFアプリケーションに設定しますか?」といった案内を表示することがあります。Edgeで開く運用を続けたい場合は、この案内で設定変更を承諾しないよう注意してください。承諾してしまうと既定アプリがAcrobat Readerに切り替わり、再びEdgeに戻す手間が発生します。
補足:Edge内で閲覧したまま注釈などAcrobatの機能を使いたい場合は、Edge向けの「Adobe Acrobat拡張機能」を有効にする方法もあります。
(Edgeのアドレスバーにedge://extensions/」と入力すると拡張機能の管理画面が開きます)。
よくある質問
Q. Acrobat Readerは無料で使えますか?どこから入手できますか?
A. PDFの閲覧・印刷・注釈といった基本機能だけであれば、Acrobat Readerは無料で使えます。PDFのテキスト編集や結合、ファイル形式の変換などを行う場合は、有料版のAdobe Acrobatが必要です。入手する際は、検索エンジンで「Acrobat Reader ダウンロード」と検索し、必ずadobe.comドメインの公式ページからダウンロードしてください。非公式の配布サイトには不要なソフトが同梱されていることがあります。
Q. 既定アプリを変更すると、PDFファイル自体に影響はありますか?
A. ありません。既定アプリの設定は「どのアプリで開くか」を決めるだけで、ファイルの中身には一切手を加えません。何度変更しても、いつでも元に戻せます。
Q. 既定アプリを変更したのに、PDFファイルのアイコンがEdgeのままです。
A. アイコンの表示が更新されていないだけの可能性があります。フォルダを開き直す、またはパソコンを再起動して確認してください。それでもアイコンがEdgeのままの場合は、設定の「既定のアプリ」で「.pdf」の割り当てが本当にAcrobat Readerに変わっているかを再確認してください。
Q. EdgeではなくChromeでPDFが開いてしまいます。
A. 原因の構造は同じで、既定アプリまたはChrome側のPDF表示設定の問題です。Windowsの既定アプリ設定(対処法1)はそのまま有効です。Chrome内での表示をやめたい場合は、Chromeの設定にある「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」→「PDFドキュメント」で、PDFをダウンロードする動作に変更してください。
まとめ
PDFがEdgeで開いてしまう問題は、次の2点セットで解決できます。
- 保存したファイルがEdgeで開く → Windowsの既定アプリを「.pdf」=Acrobat Readerに変更する(対処法1)
- WebのPDFリンクがEdge内で表示される → Edgeの「常にPDFファイルをダウンロード」をオンにする(対処法2)
ポイントは、対処法2は対処法1とセットでないと効かないということ。既定アプリがEdgeのままでは、ダウンロード設定をオンにしてもEdge内で開いてしまいます。設定しても直らない場合は、Acrobat Reader側の設定と、アップデートによる設定リセットを疑ってみてください。
逆にEdgeで開きたい場合も、同じ「既定のアプリ」設定でEdgeを選び直すだけです。仕組みさえ分かってしまえば、PDFを開くアプリはいつでも自由にコントロールできます。












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