
エクセルのパスワード解除は、設定したときと同じ画面でパスワードを空欄にすれば完了します。難しいツールは不要です。ただし「パスワードの種類」によって解除方法も、忘れた場合に解除できるかどうかも変わります。まず自分のファイルの種類を見分けることが最短ルートです。
本記事は、自分が作成したファイル、または編集を許可されたファイルの解除を前提に解説します。手順はMicrosoft公式の「Excel ファイルを保護する」「ブックのパスワードを変更または削除する」に基づいて検証しています。
結論:解除は「設定した場所」と同じ画面で行う
自分で設定したパスワードは、設定した場所と同じ画面を開き、パスワードを削除して保存すれば解除できます。最も多い「暗号化パスワード」の最短手順は次のとおりです。
検証環境:Windows 11+Microsoft 365版Excelで確認。Excel 2021・2019でも同手順で解除できます。
- ファイルを開き、「ファイル」タブをクリックします。
- 左メニューの「情報」をクリックします。→「ブックの保護」の項目が表示されます。
- 「ブックの保護」→「パスワードを使用して暗号化」をクリックします。→「ドキュメントの暗号化」画面が開き、現在のパスワードが●で表示されます。
- パスワードをすべて削除し、「OK」をクリックします。→ 入力欄が空になり画面が閉じます。
- 「Ctrl」+「S」で上書き保存します。→ 次回からパスワード入力なしで開けます。
保存しないと解除は反映されません。必ず上書き保存してください。

エクセルのパスワード解除とパスワード削除の違い
エクセルでは「解除」と「削除」はほぼ同じ意味です。どちらも、設定済みのパスワードを空欄にして保存する操作を指します。
解除専用の特別なボタンはありません。パスワードを設定した画面をもう一度開き、入力欄を空にして保存すれば、それが解除であり削除です。検索で「削除」「外す」「無効化」と表現が違っても、操作は同一と考えて問題ありません。
パスワードの種類を見分ける
エクセルのパスワードは4種類あり、症状で見分けられます。自分のファイルがどれかを下表で特定してから、対応する手順に進んでください。
| 種類 | 症状(どこで止まるか) | 設定・解除する場所 | 暗号化されるか |
|---|---|---|---|
| 暗号化(読み取り)パスワード | ファイルを開く瞬間にパスワードを聞かれる | ファイル→情報→ブックの保護 | される |
| 書き込みパスワード | 開けるが「読み取り専用推奨」と表示され、編集を保存できない | 名前を付けて保存→ツール→全般オプション | されない |
| シート保護 | 閲覧はできるが、セル編集時に警告が出る | 校閲→シートの保護 | されない |
| ブック保護(構成) | シートの追加・削除・名前変更ができない | 校閲→ブックの保護 | されない |
暗号化パスワードだけは、忘れると現実的に解除できません。残り3種類は暗号化されておらず、忘れても対処できます。この違いが重要です。
【種類別】パスワードの解除手順
見分けた種類ごとに、解除手順を解説します。いずれも自分が設定したパスワードを知っている前提です。
暗号化(読み取り)パスワードの解除
「ファイル」→「情報」→「ブックの保護」から、表示済みのパスワードを削除して保存します。手順は冒頭の結論と同じです。
- ファイルを開き、「ファイル」タブ→「情報」をクリックします。→ ブックの保護の項目が表示されます。
- 「ブックの保護」→「パスワードを使用して暗号化」をクリックします。→「ドキュメントの暗号化」画面が開きます。
- パスワードを削除して「OK」をクリックし、「Ctrl」+「S」で保存します。→ パスワードなしで開けるようになります。
「情報」に解除項目が見当たらない場合は、暗号化ではなく書き込みパスワードの可能性があります。次の手順を確認してください。
書き込みパスワードの解除
「名前を付けて保存」ダイアログの「ツール」→「全般オプション」から削除します。「情報」画面には表示されないため、ここを確認します。
- ファイルを正しいパスワード、または「読み取り専用」で開きます。
- 「F12」キーを押します。→「名前を付けて保存」ダイアログが開きます。
- ダイアログ下部の「ツール」→「全般オプション」をクリックします。→ パスワード設定画面が開きます。
- 「書き込みパスワード」欄を空にし、「OK」をクリックします。→ 設定画面が閉じます。
- 「保存」をクリックして上書きします。→ 以後は編集してそのまま保存できます。
シート保護の解除
「校閲」タブの「シート保護の解除」をクリックします。パスワードが設定されていればパスワードを入力します。
- 保護されたシートを開き、「校閲」タブをクリックします。→「保護」グループが表示されます。
- 「シート保護の解除」をクリックします。→ パスワード未設定なら即座に解除されます。設定済みなら入力画面が出ます。
- パスワードを入力して「OK」をクリックします。→ セルが編集可能になります。
パスワードなしで設定されたシート保護は、手順2のクリックだけで即解除されます。
ブック保護(構成)の解除
「校閲」タブの「ブックの保護」を再度クリックして解除します。シートの追加・削除を制限する保護です。
- ファイルを開き、「校閲」タブの「ブックの保護」をクリックします。→ パスワード設定時は入力画面が出ます。
- パスワードを入力して「OK」をクリックします。→ シートの追加・削除・名前変更ができるようになります。
ショートカット早見表
クリック操作に慣れたら、次のショートカットで同じ画面を開けます。
| 操作 | ショートカット |
|---|---|
| パスワードを使用して暗号化 | Alt→F→I→P→E |
| 名前を付けて保存(全般オプション経由) | F12 |
| シート保護の解除 | Alt→R→P→S |
| ブックの保護 | Alt→R→P→W |
パスワードを忘れた場合の対処
解除できるかどうかは、パスワードの種類で決まります。暗号化パスワードは現実的に解除できません。それ以外は対処できます。
| 種類 | 忘れた場合の対処 | 理由 |
|---|---|---|
| 暗号化(読み取り)パスワード | 現実的に解除不可 | ファイル全体がAESで暗号化されており、総当たり以外に手段がない |
| 書き込みパスワード | 読み取り専用で開いて別名保存できる | 暗号化されていない |
| シート保護 | バックアップ利用や再作成を検討 | 暗号化ではなく、入力ミスを防ぐ機能 |
| ブック保護(構成) | バックアップ利用や再作成を検討 | 同上 |
シート保護がセキュリティ機能ではない点は、Microsoft公式も「Excel の保護とセキュリティ」で明言しています。
暗号化パスワードを忘れた場合
確実に解除する方法はありません。Microsoft公式も、忘れたパスワードは回復できないと明記しています。暗号化の強度はバージョンで向上しており、特にExcel 2013以降は総当たりが現実的でないレベルに達しています。
| バージョン | 暗号化方式 | 強度の目安 |
|---|---|---|
| Excel 2007 | AES-128+SHA-1 | 標準的 |
| Excel 2010 | AES-128+SHA-1(CBC) | 標準的 |
| Excel 2013 | AES-256+SHA-512(約10万回反復) | 非常に強固 |
| Excel 2016/Microsoft 365 | AES-256+SHA-512(約10万回反復) | 非常に強固 |
英数字記号を混ぜた強いパスワードは、現実的な時間では破れません。現実的な対処は次の3つです。
- パスワードの設定者や配布元に確認する
- メール送信前やクラウド上に残る、暗号化前のバージョンを探す
- バックアップから復元する。なければ作り直す
市販の「解除ツール」は総当たりで動作するため、強いパスワードには無力です。マルウェア混入や情報漏えいのリスクもあります。業務ファイルでの使用は推奨しません。
シート保護・書き込みパスワードを忘れた場合
シート保護は入力ミスを防ぐための機能であり、暗号化による保護ではありません。自分が作成したファイルでパスワードを失念した場合は、バックアップの利用や再作成を検討してください。
書き込みパスワードは、開く際に「読み取り専用」を選べば閲覧できます。「F12」で別名保存すれば、パスワードなしのコピーを作成できます。
解除できない・うまくいかない場合のチェック
解除ボタンが見つからない、保存できない場合は、保護の場所違いか権限の問題です。症状から原因を特定してください。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 「情報」に解除項目がない | 書き込みパスワードがかかっている | 「F12」→「ツール」→「全般オプション」で確認する |
| 「校閲」タブがグレーアウトしている | 共有ブック、またはブック保護が有効 | 先にブック保護や共有を解除する |
| 解除後も保存できない | ファイルに読み取り専用属性が付いている | ファイルのプロパティで「読み取り専用」のチェックを外す |
| OneDrive/SharePoint上で編集できない | 共有の編集権限がない | ファイル所有者に編集権限を依頼する |
よくある質問(FAQ)
エクセルのパスワードは無料で解除できますか?
自分が設定したパスワードなら、Excelの標準機能だけで無料で解除できます。専用ツールは不要です。
パスワードを忘れたファイルは開けますか?
暗号化パスワードの場合は、現実的な解除方法はありません。設定者への確認やバックアップからの復元を検討してください。
シート保護のパスワードを忘れました。どうすればよいですか?
シート保護は暗号化ではありません。自分のファイルであれば、バックアップの利用や再作成を検討してください。












コメント